お料理が得意な人もそうではない人も、一つは持っているであろうテフロンのフライパン。
少量の油で焦げ付かずに料理ができて、とても便利なアイテムです。
最近は鉄鍋も流行っています。
キッチンでの見せる収納には、ステンレスのピカピカなフライパンの方が映えます。
それでも、あの便利さを知ってしまうと手放せなくなるのが、テフロンフライパン!
ただ、使い続けているうちにテフロン加工が剥がれてきて、だんだんと使いにくくなってきますね。
「テフロンが剥がれたものを使っていると、身体によくない」という話もよく聞きますが、本当なのでしょうか?ちょっと心配です。
今回は、テフロン加工したフライパンの使い方・洗い方・剥がれてくる原因などをお伝えしていきます。
フライパンのテフロンが剥がれたまま使うと体に悪いの?

アルミニウムの上にフッ素樹脂加工をしたテフロンパンフライパンは、加工が剥がれたら使わない方が安心ではあります。
その理由は・・
1. アルミニウムが身体に蓄積されてしまうから
2. PFOAやPFOSが分解されずに身体に蓄積されてしまうから
3. 剥がれたフッ素樹脂から有毒ガスが発生する可能性があるから
1. アルミニウムが身体に蓄積されてしまうから
一般的なテフロンのフライパンでは、アルミニウムが使われています。
その上をフッ素樹脂でコーティングしているので、つまりテフロン加工がが剥がれるということは中のアルミニウムが出てくるということです。
そのフライパンを使い続ければ、アルミニウムは溶けだしやすくなり食事と一緒に摂取されていきます。
アルミニウムは、身体に蓄積されると害になると言われています。
実験で、アルミニウムを多量に投与されたラットに腎臓や膀胱への影響や握力低下などが確認された、というデータもあります。
ただし通常の500~1000倍の量を投与しているので、実生活に根差したデータかというとかなりの疑問があります。
余談ですが、塩は1日の摂取量目安7g(18歳以上の女性)の約40倍でも致死量になります。
(健康系の情報は、読み手を煽るようなデータの活用の仕方や伝え方が目立ちますが、そこは注意しながら見る必要があるなと筆者は痛感しています)
アルミニウム自体は、食品添加物に含まれるほか、食べもの、飲みもの、水や空気などを通して毎日摂取されています。
また、食べものや飲みものから摂取された分は、ほぼ(約99%)身体から排出されます。
通常の量であれば身体に蓄積することはほとんどありません。
とても身近な元素であるアルミニウムを、そく「悪」と捉えるのはちょっと早とちりかもしれませんね。
ただ、お子さんがいる方などは敏感になっているはずなので、精神衛生上もテフロン加工が剥がれたフライパンは使わない方がよいでしょう。
2. PFOAやPFOSが分解されずに身体に蓄積されてしまうから
フッ素樹脂は、PFOAという素材を使って貼り付けられます。
そしてPFOSは界面活性剤のことで、撥水・撥油などのために使われてきました。
両方とも分解されずに身体の中に蓄積され、発がん性などが疑われている素材です。
確かに摂取しない方がよいでしょう。
最近は、PFOAは大手のフッ素化学メーカーによる自主的な使用廃止がされてきていて、PFOSは現在日本でも全面的に使用が禁止されています。
テフロンフライパン自体を避ける前に、こういった素材を使っていないかを購入前にチェックしてはどうでしょうか。
3. 剥がれたフッ素樹脂から有毒ガスが発生する可能性があるから
これはテフロン加工が剥がれているかどうかは関係ありませんが、最も害がありそうなので挙げてみました。
テフロン加工は、高温に弱いという特徴があります。
鉄鍋の様に使用前に空焚きをしていると数分間で349℃に至り、この温度になると有毒ガスが発生します。
テフロン加工が剥がれていてもいなくても、空焚きには要注意です。
テフロンが剥がれる原因と使い方のポイント

では、テフロンはどうして剥がれてくるのでしょうか?
原因は色々あるのでバーッと挙げていきますが、割と身に覚えのあることや意外なこともあるかと思います。
剥がれる原因
- 料理を入れたままで保存する
テフロン加工の表面にある小さな傷から塩分がしみ込んで、下地の金属を腐食させる。それでフッ素樹脂が浮き上がり剥がれの原因になる - 強火での調理・空焚き・揚げ物を調理
テフロン加工は高温に弱く、剥がれやすくなってしまう。過剰な油も加工に悪く作用してしまう - 金属製の調理器具を使う
テフロン加工はかなり柔らかい。HBの鉛筆程度の強度と言われるくらい。
そのため、金属製の固い調理器具を使用すると、表面に傷をつけてしまい剝がれやすくなる - 食洗器・たわし・クレンザーで洗う
これも強度の問題で、表面に傷をつけてしまう - 調理後冷まさずに水で洗う
テフロン加工は急激な温度変化にも弱く、剥がれる原因になってしまう - 水気が残っている状態
水道水に含まれるカルキなどの成分もフッ素樹脂を傷める原因になる
けっこうありますね。
そして、筆者はこの中の半分ほどはしてしまってきました。
それでテフロンフライパンの寿命を縮めていたとは。
意外と気を使ってあげなくてはならなかったのですね。
使い方のポイント
剥がれる原因になることをやらなければいいのです。
調理をする時は中火までにし、空焚きはしない。木やシリコンの調理器具を使う。
作った料理は保存容器に移し、空いたフライパンは汚れを拭き取っておいて冷めてからスポンジと中性洗剤で洗う。
洗ったフライパンはすぐに拭いて収納し、水分を残さない。
こういったことに気を付ければ、長く愛用することができます。
テフロン加工をDIYで再加工することはできる?

テフロンフライパンの滑りが悪くなり、焦げ付きなどが出てくる原因は2つあります。
- テフロン加工の剥がれ
- 焦げや油汚れなどのこびりつき
そして、それぞれに対処法があるのでご紹介します。
1. テフロン加工の剥がれ
まず残念なお知らせですが、剥がれたものを自分で元通りにすることはできません。
その代わり、傷がついたり部分的に剥がれてしまったところをスプレーで埋めることはできます。
クチコミを見ている限りでは、大幅に剥がれる前からコンスタントに使用している人の満足感が高いようです。
ちょっと高いテフロンフライパンを買った時に、お手入れとして使用するのがいいのかもしれませんね。
2. 焦げや油汚れなどのこびりつき
こびりつきによって使い勝手が悪くなっている場合は、キレイに洗うことで再び効果を発揮するようになります。
- フライパンに水を張り沸騰させる(数分程度)
- 汚れが浮いてきたところで、柔らかいスポンジと中性洗剤で丁寧に洗う
こびりつき具合によっては一度で落としきれないかもしれませんが、その時は何度かに分けて少しずつ落としていってください。
ということは、普段から丁寧に洗って拭いて収納することが大切なのです。
因みに、収納時に直接鍋同士を重ねると表面に傷がついてしまう可能性があります。
重ね収納の場合は、間に布などを挟むようにしましょう。
テフロンが剥がれたフライパンに使い道はある?

PFOAやPFOSを使用しているものでなければ、テフロン加工が剥がれたフライパンを使っても特に問題はなさそうです。
ただ、剥がれていると食材がこびりつきやすくなってしまうので、使い勝手は悪くなりがち。
筆者は、そういったフライパンは麺類を茹でる時などに使うことがあります。
あとは、使う人の感覚次第。
心配しながら使うのであれば、買い替える方がいいかもしれません。
テフロン加工のフライパンは寿命は長くて1~2年ほど、高いものでも3年くらいです。
だったら、リーズナブルなのを買って、正しい使い方で使い、それでも剥がれてきたら買い替える。
これぐらいのスタンスでよいのではないでしょうか。
まとめ

テフロン加工は、いずれ剥がれてくるものです。
使用している素材は現在では安全に配慮されているので、実際の安全はあなたの使い方次第と言うこともできます。
テフロンのフライパンはとても便利なので、使い方や取り扱い方にちょっと気を付けながら沢山使ってくださいね。
空焚きだけは本当に要注意!
ぜひ毎日のクッキング・お食事タイムを楽しくお過ごしください。